エステの契約は高額になりがちなため、サービスを受けるにあたって「クーリングオフできるのか」「契約解除できるのか」を知っておくことはとても大切です。すべての契約がクーリングオフできるわけではないので、対象になる条件を知ったうえで契約に望みましょう。

この記事では、エステのクーリングオフができるケース、できないケースを解説するとともに、契約で後悔しないための注意点をまとめています。

  1. エステの契約はクーリングオフできない?
  2. エステサロンでクーリングオフができるケース
  3. エステサロンでクーリングオフができないケース
  4. エステの契約は中途解約できる?
  5. エステサロンの契約で後悔しないための注意点
  6. 困ったら相談窓口へ
  7. エステの契約は慎重に

エステの契約はクーリングオフできない?

エステサロンではさまざまな体験プランが提供されていますが、体験のみのつもりで行ったのにしつこい勧誘を断れず契約してしまった、というケースは少なくありません。

断れなかったとはいえ、自分で契約書にサインしたのに取り消すことができるの?と不安になる方もいるでしょう。エステの契約はクーリングオフの対象になるので安心してください。

クーリングオフとは、サービスや商品の購入を契約した後でも、条件をみたしていれば賠償金や違約金を支払わずに契約解除できる制度です。自分の意思で契約したものでも解除できます。

「よく考えたら必要なかった」「支払える自信がなくなった」など、どんな理由であっても条件さえ満たしていれば契約解除することが可能です。

エステサロンでクーリングオフができるケース

エステサロンでした契約はクーリングオフができますが、以下のような条件を満たしていなければ対象にならないため注意が必要です。

  • 契約内容がクーリングオフの条件に適している
  • サービスの関連商品が対象になることもある
  • 契約から8日以内に申し出る

契約内容がクーリングオフの条件に適している

残念ながら、エステで契約したすべてのサービスがクーリングオフの対象になるわけではありません。

クーリングオフできるのは、契約期間が1か月を超え、かつ契約金額が5万円を超える契約に限られています。たとえば、期間が2か月の契約であっても、料金が4万円の場合にはクーリングオフの対象になりません。

一方で、1か月ごとの更新であっても「先に3か月分のサプリを購入している」といった場合には適用されることがあります。

サービスの関連商品が対象になることもある

エステサロンで提供されるサービスの中には、施術とともに補正下着やサプリメントなどを関連商品として購入することを含んでいるものもあります。「施術に必要なもの」として説明を受けて購入した商品に関しては、クーリングオフの対象になります

関連商品は必ず概要書面に記載されるので、契約書類に載っているか確認しましょう。契約内容によっては開封済みの商品は対象外になることがありますが、サロン側が故意に開封させた場合などにはクーリングオフが適用されるケースもあります。

契約から8日以内に申し出る

クーリングオフの期間は契約した日から8日以内と定められており、期間を過ぎると無条件では解除できません。

また、8日以内であっても電話で連絡するだけでは手続きができないので、必ず書面で行わなければなりません。はがき、メール、専用フォームなどで手続きしますが、相手に申し出が届いた日が8日を過ぎていても、こちらが提出した日が契約から8日以内であれば問題ありません。

クレジットカードでの支払になっている場合は、クレジットカード会社にも同じように申し出ましょう。

エステサロンでクーリングオフができないケース

エステの契約では、クーリングオフできないケースもあるので確認しておきましょう。以下のケースのほか、契約から8日経過した場合もクーリングオフの対象にならないので注意が必要です。

  • 電話や口頭での申し出
  • 推奨品の購入

電話や口頭での申し出

前述のように、はがきやメール、専用フォームからクーリングオフの手続きをすることができますが、電話や口頭では申し出たことにならないので注意してください。電話または面前でクーリングオフを申し出ると、引き止めにあったり、トラブルに発展したりする可能性があるので控えましょう。

書面で手続きする際は送った証拠が残るよう、電磁的記録(メールやFAX)であればコピー(スクリーンショットも可)し、書類であれば簡易書留で送ります。

推奨品の購入

施術に必要な商品は関連商品としてクーリングオフの対象になることがありますが、推奨品は対象にならないので注意が必要です。推奨品とは、サロンで勧められた商品や店舗で販売している商品のことで、契約したサービスに直接関係のない商品はクーリングオフできません

ただし、本当は施術に欠かせない商品を故意に概要書面に記載せず、推奨品と偽ったような場合には対象になるケースもあります。

エステの契約は中途解約できる?

エステの契約は、8日以内に行うクーリングオフ以外にも解約する方法があります。クーリングオフ期間が過ぎてから「やっぱりやめたい」という状況になった場合は、中途解約することが可能です。

中途解約では、サービスを受けていない部分の料金10%にあたる金額か2万円の、どちらか低い方を支払わなければなりません

また、契約期間中にサービスの回数が消化できない場合は、手数料を支払って期間を延長することも可能です。しかし、予約が埋まっていることを伝えずに契約させるといった「サロン側に明らかな過失がある場合」はクーリングオフが適用されることもあります。

エステサロンの契約で後悔しないための注意点

エステの契約は、クーリングオフや中途解約ができますが、どうせ解約できるからと安易に契約すると思わぬトラブルに発展することもあります。後悔しないために契約は慎重に行いましょう。

概要書面をしっかり確認する

契約の際には必ず概要書面が必要になるので、しっかりと読んだうえで契約書にサインしましょう。このときサービスを提供するうえでしなければならない説明を怠ったり、概要書面を読ませないようにしたりするサロンは信用できないので契約しない方がよいです。

金額や支払方法、クーリングオフ、中途解約についてもきちんと記載されていることを確認してから契約することが大切です。場合によっては一旦持ち帰り、細部まで読んでからサインしてください。

疑問点は必ず質問する

契約内容の説明を受けているときに疑問に感じたことは、迷わず質問しましょう。施術の内容や、関連商品、解約など、些細なことでも流さず質問しておくことが大切です。

エステのように契約期間が長期にわたる場合、転勤や経済状況の変化で通うのが難しくなることもあるでしょう。継続できなくなった場合にはどうなるのか、なども聞いておきたいポイントです。

必要ない場合はきっぱり断る

契約の段階でも、必要ないと感じたらきっぱり断りましょう。新規顧客獲得を目的としている体験エステでは、ほとんどの場合でその日のうちに本コースの契約を勧められます。

このとき、「この金額で受けられるのは今だけ」や「1回では効果がない」など、さまざまなトークで勧誘されますが、その場でサインしたくない場合は、以下のように理由をつけて断りましょう。

  • 高価なので即決できない
  • 家族に相談しなければならない
  • 他のサロンと比較して決めたい

困ったら相談窓口へ

「どうしても断れずに契約してしまった」「施術内容が契約と違う」など、エステに関することで困った場合は以下のような相談窓口へ連絡してみましょう。

消費者ホットライン

消費者ホットライン「188」にかけて、メッセージどおりに郵便番号を入力すると、最寄りの窓口へつながります。

電話番号 188
受付時間 平日 / 9:00~17:00

土日祝 / 10:00~16:00

※相談窓口によって異なる

休業日 年末年始

 

AEAエステティック相談センター

日本エステティック業協会が運営する相談センターで、契約関係だけでなく施術についての専門的な質問にも答えてもらえます。

電話番号 03-5212-8805
受付時間 月水金 / 11:00~16:00  ※祝祭日、夏季、年末年始除く

 

エステの契約は慎重に

エステの契約は長期にわたる高額な契約が多いため、契約したものの「最後まで通えないかも…」「やっぱり払えない」といった状況になることがあります。契約解除する場合、1か月以上の期間で5万円を超える契約は、8日以内であればクーリングオフの対象になるので書面で手続きをしましょう。

クーリングオフ期間が過ぎても中途解約ができるため、継続できなくなった場合はサロンに申し出てください。条件によってはクーリングオフの対象にならなかったり返金されなかったりすることがあるので、エステの契約は概要書面をしっかり確認し、慎重に行うことが大切です。