お客様の希望する場所に出向いて施術を行う出張エステ。「忙しくてエステサロンに足を運ぶ時間が作れない」という方を中心に、近年需要が高まっています。

出張エステを始めることを検討していても、実際に開業する流れをイメージできる方は少ないのではないでしょうか。

出張エステは、店舗サロンよりも手軽に開業することができます。

今回のコラムでは、出張エステを開業する流れや、出張エステならではのメリットをご紹介していきます。

  1. 出張エステってどんなサービス?
  2. 出張エステ開業後の業務
  3. 出張エステの開業準備
  4. 出張エステを開業するメリット
  5. 出張エステを開業するデメリット
  6. 出張エステを開業して自由に稼ごう

出張エステってどんなサービス?

出張エステは、お客様が指定した場所にエステティシャンが出向き、施術を行うサービスです。

  • 自宅
  • オフィス
  • ビジネスホテル
  • 旅館

主な出張先としては上記の4つが挙げられます。

仕事で忙しい方や高齢者など「サロンに足を運べないけれど施術を受けたい」と考える方が、出張エステの利用を望んでいます。また、日々の疲れを癒し特別感を得たいお客様が、旅館やビジネスホテルでの施術を希望するケースもあります。福利厚生として出張エステを導入している企業もあるようです。

出張エステ開業後の業務

クレーム出張エステの予約を受けてから施術終了までの流れを具体的にお伝えします。

  • 予約の確認
  • 出張先への移動
  • カウンセリング
  • 施術ベッドのセッティング
  • 施術
  • アフターカウンセリング

予約の確認

  • お客様の名前
  • 施術を希望する日時
  • 施術場所
  • 施術内容
  • ベッドの持ち込みを希望するかどうか

予約を受けたら、まずはこれらの情報を確認します。

車で移動するのであれば、駐車場の場所や移動にかかる時間も事前にリサーチしておくと良いでしょう。

また、エステティシャンが用意する簡易ベッドとお客様が出張先にあるベッド、どちらでの施術をお客様が希望するのか、事前に聞いておかなければなりません。

簡易ベッドを持ち込む場合は、出張先にベッドを設置するスペースがあるかどうかも確認しましょう。

出張先のベッドで施術を行う場合は、下記の3点を把握しておく必要があります。

  • 高さ
  • 広さ
  • 壁に接しているかどうか

ベッドが高すぎたり、壁に接していたりすると施術しにくいです。ベッドの状態を事前に理解していれば、当日スムーズに施術を行うことができます。

出張先への移動

出張先へは電車や車で移動することが考えられます。しかし、電車で移動すると大きな備品が運べず、駅から遠い場所に行くのも大変です。

車で移動すると、出張先に駐車場があるかの確認が必要になりますが、簡易ベッドなどの大きな備品を楽に運ぶことができます。お客様の様々な依頼に対応できるという点で、車移動をおすすめします。

カウンセリング

出張先に到着したら、まずはお客様にカウンセリングを行います。

  • お客様の体調
  • 施術を受ける目的
  • 解消したい悩み

カウンセリングでは、こういったことをお客様から聞き出しましょう。

施術内容が決まっていない場合は、最適なメニューの提案も行ってください。また、お客様が安心できるように、施術について丁寧に説明しなければなりません。

施術ベッドのセッティング

施術を行うベッドのセッティングをします。お客様の待ち時間をできる限り短くするために、素早く用意しましょう。お客様に着替えてもらう場合は、その間に準備しておくとスムーズです。

施術

エステティシャン、お客様ともに準備が完了したら、いよいよ施術を行っていきます。痛がっている様子はないかなど、お客様の様子を観察しながら進行していきましょう。

また、出張エステティシャンには、どんな環境でも質の高い施術を行う技術が求められます。お客様が快適に施術を受けられるよう、ベッドの状態に合わせて、臨機応変に対応することが大切です。

アフターカウンセリング

施術が終わったらもう一度カウンセリングをします。身体の状態を確認したり、アフターケアについてアドバイスしたりしましょう。

施術だけでなく、エステティシャンとの会話もお客様の満足度に影響します。アフターカウンセリングを怠ると、リピート率が下がりかねません。さらに、お客様が施術後の不安や要望を言い出せず、思わぬ肌トラブルを引き起こす恐れもあります。

お客様に寄り添って話を聞き、本音を引き出すことが大切です。また、アフターカウンセリングが終了したタイミングでお客様に飲み物をお出しすれば、お客様がくつろいでいる間に片付けを行うことができます。

出張エステの開業準備

出張エステを開業するには、どんな準備が必要なのでしょうか。

開業届の提出

店舗を持たずに開業する場合でも、開業届を提出して「個人事業主として事業を始める」ことを税務署に報告しなければなりません。

開業届の用紙は、最寄りの税務署、あるいは国税庁のホームページから入手できます。現住所の所轄の税務署に、事業開始日から1ヶ月以内に提出しましょう。

開業届を提出しなくても罰則はありません。しかし、開業届を提出すれば確定申告の際に青色申告の利用が可能となり、節税対策をすることができます。

備品の準備

  • エステ用機器
  • 施術用ベッド
  • タオル類
  • 防水シーツ
  • マスク、アルコール消毒
  • お釣り、領収書
  • カルテ(カウンセリング用)、筆記用具
  • ゴミ袋

出張エステを開業するにあたって、施術内容に関わらず共通して必要な備品は上記の通りです。

ベッド用の防水シートは必ず用意しましょう。出張先のベッドを使う場合は特に、オイルなどでベッドを汚さないための気配りが欠かせません。お会計の際に使うお釣りや領収書の準備も必須です。

また、フェイシャルメニューならクレンジング、全身の施術ならガウンやペーパーショーツというように、実施する施術メニューに応じて必要なものを準備しましょう。

価格設定

出張エステで利益を得るためには、価格設定が最も重要です。

店舗を持たないため家賃や光熱費といった固定費はかかりませんが、だからといって価格を下げすぎてもいけません。開業したばかりの段階で安さを売りにして集客すると、後から価格を上げた際にお客様が離れてしまうリスクが高くなります。

出張エステでは交通費、駐車場代を自分で負担しなければならないため、価格設定の際に必ず出張費を考慮しましょう。5km圏内では無料、10km圏内では1000円というように、移動距離に応じて設定するとわかりやすいです。

また、施術場所によって価格の相場は異なります。個人宅で施術する場合は安めに、宿泊施設に出向く場合は高めに設定されていることが多いです。出張先の相場によって価格設定を変更しても良いかもしれません。

出張エステを開業するメリット

出張エステを開業するメリットを、店舗サロンと比較しながらご紹介していきます。

初期費用や経費が安く済む

  • 保証金
  • 敷金、礼金
  • 改装費
  • 家具代

出張エステには店舗がなく、これらの費用は必要ありません。従って、店舗サロンと比べると初期費用がかなり安く、比較的手軽に開業することができます。

また、先述したように固定費も発生しないため、開業後も経費を抑えることが可能です。

店舗の準備、維持作業が必要ない

店舗サロンの開業にあたっては、立地を考慮して物件を抑えたり、魅力的な外装や内装を考えたりする必要があります。さらに、開業してからも日々の清掃作業が必要になります。

出張エステの場合は店舗を準備、維持するための作業は不要です。

営業時間や集客範囲を決められる

出張エステでは、営業時間を自分の好きなように設定して活動することができます。自宅や宿泊施設での施術においては、お客様の帰宅手段を考慮する必要がないため、終電後のような遅い時間に施術することも可能です。

また、集客において立地を考慮する必要はありません。自分が向かえる場所であれば、好きなだけ集客エリアを拡大することができます。

このように、営業スタイルを自由に決められることが出張エステの最大の魅力です。

副業として始めやすい

本業としてだけでなく、副業として始められることが出張エステならではの良さです。店舗サロンでは、土日や夜の遅い時間だけというように少ない時間で稼働することはできません。

自分のペースで活動できる出張エステは、副業として始めるのに最適です。

撤退しやすい

店舗サロンを撤退する際には、外装や内装を開業前の状態にする費用が発生します。店舗のない出張エステは、すぐにでもやめることが可能です。

出張エステを開業するデメリット

店舗と比べて柔軟に稼働できる出張エステですが、デメリットもあります。

稼働効率が悪い

店舗サロンではお客様が自ら出向いてくれるため、続けて何人もの施術を行うことができます。しかし、出張エステの場合はお客様が希望した場所への移動が必要であり、1日に対応できる人数が限られます

また、突然渋滞に巻き込まれるなどして、時間通りに施術を開始できなくなるリスクもあります。

訪問先の環境に合わせる必要がある

出張サロンには、店舗サロンのような待合室や更衣室がありません。お客様が待機したり着替えたりする場所をその場で決める必要があります。どんな環境でもスムーズに進行できる対応力がないと、お客様に満足してもらうことは難しいです。

集客が難しい

店舗を持たない出張サロンには、集客がしづらいというデメリットがあります。

店舗サロンに比べると出張サロンはあまり広く浸透しておらず、「怪しい」「不安だ」などと感じる人も少なくありません。

店舗サロン以上に力を入れて、ホームページやSNSで集客しなければなりません。繰り返し利用してくれるお客様を増やすためには、根気よく情報を発信し続けることが求められます。

出張エステを開業して自由に稼ごう

正しく準備をして出張エステを開業すれば、少ない初期投資で自分の望む利益を得ることができます。

エステで開業することを検討している方は、店舗サロンだけでなく、出張エステも選択肢の1つとして検討してみてください。