「エステサロンを開業したけれど、法人化した方がいいの?」

こう悩んでいる方は多いのではないでしょうか?もちろん、最初から法人として経営するケースは少ないでしょう。しかし、経営が順調に進んでいるのであれば、法人化も選択肢の1つになります。

しかし、法人化によるメリットがなければ、する意味はありません。法人化する前に、自分のエステサロンにおいてどういった影響があるか理解しておく必要があります。

本記事ではエステサロンにおける法人化について解説いたします。個人事業主との違いについても紹介しているので、法人化の際の参考にしてください。

  1. エステサロンにおける法人と個人事業主とは?
  2. 法人と個人事業主の違い
  3. エステサロンを法人化するメリット
  4. エステサロンが法人化するべきタイミングとは?
  5. エステサロンの法人化はメリットが多い

エステサロンにおける法人と個人事業主とは?

エステサロンを開業する上で、法人と個人事業主のどちらが良いか判断するためには、それぞれの特徴や違いについて理解しておかなくてはいけません。

ここでは法人と個人事業主について詳しく紹介いたします。

法人

法人は主に以下の3つに分類されます。エステサロンは利益目的の施設であるため、営利法人に該当します。

  • 公法人
  • 営利法人
  • 非営利法人

営利法人にも「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」などの種類がありますが、エステサロンの場合は、株式会社もしくは合同会社という形態になることが一般的です。

株式会社

株式会社とは株式を発行し、資金調達を行う会社です。株主は会社に対する権利を保有しているため、経営には株主の意向も組み込まれるという特徴があります。

株主次第で自由な経営が難しいという一面がある一方で、銀行からお金を借りずに資金を集められるというメリットもあります。

合同会社

合同会社とは2006年から新しく設けられた会社の形態であり、日本においてそれほど数は多くありません。株式会社と異なる点は、出資者=会社の経営者であるところです。

ある程度自己資金がなければ設立が難しい一方で、手続きが簡単という特徴があります。さらに集めなくてはいけない資金の総額は、株式会社と比べて低いです。

エステサロンは小規模で運営を進めていくケースも多いでしょう。経営が維持できる範囲でエステサロンを続けていきたいと考えているのであれば、株式会社ほど事業規模を広げずに、合同会社にしてミニマムに始めるのもおすすめです。

個人事業主

個人事業主とは個人で事業を行うために開業届を提出している人のことです。自営業と呼ばれるケースもあります。

法人とは異なり、税務署に開業届を提出するだけで良いため、費用がかからず誰でもすぐになれるのが特徴です。エステサロンにおいては屋号でビジネスを進めていくことになります。

法人と個人事業主の違い

法人と個人事業主は異なる点が多くあります。中でも特に理解しておかなくてはいけない点について解説します。

  • 税金
  • 経費の取り扱い
  • 社会的信用

税金

法人の場合は法人税を支払わなくてはいけません。これは所得の15%〜23.2%の範囲で課税されます。一方で個人事業主の場合は、所得税を支払う必要があり、これには累進課税制度が採用されています。

そのため、所得の5〜45%と税率が幅広いのが特徴です。他にも法人は法人住民税、法人事業税が発生するのに対して、個人事業主は住民税を支払わなくてはいけません。

課税される税金の種類が違う点は覚えておきましょう。それぞれ税率が異なるのですが、個人事業主には累進課税制度が採用されているため、年収が高ければ高いほど個人事業主の税負担が多くなります。

あくまでも目安ですが、年収が500万円を下回っている場合は、個人事業主の方が税負担が少なくメリットが多いと考えておきましょう。

経費の取り扱い

法人の方が経費として計上できる項目が多く、節税の観点では有利です。例えば、社員への給与や賞与、社宅として借り上げた賃料などを経費として取り扱うことができます。

交際費も経費計上可能ですが、上限は800万円までと定められています。これを超えた分に関しては、経費計上ができません。

一方で個人事業主は、経費計上できる項目が法人ほど多くはありません。しかし、そもそも個人事業主は従業員を雇っていないケースが多いため、さほど問題にはならないでしょう。

交際費については経費計上可能であり、上限はありません。これも法人と個人事業主の大きく違うポイントです。

所得が多いのであれば節税項目が多い法人の方がメリットがあり、少ないのであれば個人事業主でも問題ないと考えておきましょう。

社会的信用

社会的信用は、法人の方が圧倒的に高いです。個人事業主とは取引を行っていない企業も存在し、ビジネスが進めづらいと感じることもあるでしょう。

先ほどまで紹介した項目については、法人と個人事業主それぞれにメリットがありました。しかし、社会的信用という面については、法人の方が優れているといえます。

エステサロンを法人化するメリット

エステサロンを法人化するメリットは数多くあります。先ほど紹介したように、税金面では法人の方が優遇されています。

他にも法人化するメリットは数多くあるので、確認していきましょう。

消費税が免税される

法人化すると課税売上が1,000万円を超えない限り、消費税が最大2年間免除されます。そのため、課税売上が700〜900万円程度のサロンにとっては、大きなメリットとなるでしょう。

2年を超えると消費税の納税義務が発生するため、忘れないように注意してください。

社会保険に加入できる

法人化すると社会保険に加入できるようになります。オーナーはもちろん、家族も社会保険の加入が認められるため、配偶者や親が働いていない場合は家族の保険料を抑えられるでしょう。

病気や怪我が発生しても、手厚い保証を受けられるのがポイントです。人材を確保する際にも、社会保障が充実していると有利に働きやすいです。

さらに、国民年金だけではなく厚生年金が追加されるのもポイント。老後の年金が増えるため、将来的な不安が少なくなります。

融資が受けやすくなる

社会的信用度が高まると、融資を受けやすくなります。事業を拡大する上で、まとまったお金が必要になるケースは多いです。特に設備投資をしたり、新店舗を出店したりする場合は、融資を受ける必要性が高まります。

その際に個人事業主だと、融資が受けられないかもしれません。法人化しているだけで融資が受けやすくなり、資金調達に悩むケースが少なくなるのは大きなポイントです。

エステサロンが法人化するべきタイミングとは?

エステサロンが法人化する場合は、節税におけるメリットがどれくらいあるかを基準に考えましょう。一般的には、法人と個人事業主の税率の違いを考慮した上で、事業所得が500〜600万円を超えると法人化するのがベストと言われています。

法人との取引が増えてきた場合も、法人化を検討するタイミングとなります。しかし、エステサロンはあくまでも個人を対象にしたサービス業であるため、法人との取引はそれほど多くない傾向にあります。

事業所得をベースに法人化を検討すれば、後悔することは少ないでしょう。

エステサロンの法人化はメリットが多い

エステサロンの法人化はメリットが多いです。思っているように利益が残らないと悩んでいる方は、法人化することで節税に繋がり、より多くの利益が残せるかもしれません。

しかし、法人化すると収入が少なくなった場合の課税率が高くなるというデメリットもあります。そのため、法人化するのであれば、より事業所得を増やすための施策を考えなくてはいけません。

痩身エステは需要の高いサービスであり、集客にも繋がりやすいです。ぜひ、法人化するのであれば、痩身エステのように魅力的なサービスの導入もあわせて検討しましょう。