エステサロン経営ノウハウ
エステサロン経営には物販が必要不可欠?!売上をあげるためのコツと具体例
あなたはエステサロンの売上の多くを、物販が占めているのをご存じでしたか?一見すると、経営にあまり関係ないように見える物販ですが、経営状況を大きく左右させる可能性を秘めており、軽視することはできません。
そこで今回のコラムでは、エステサロンで物販を導入するメリットや注意点を徹底解説します。コラムの後半には、実際によく売れている商品の例を掲載しておりますので、サロンの売上が伸び悩んでいる方や、物販を検討しているけど何を扱えばよいかわからないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
物販を導入するメリット
- 顧客満足度が向上する
- 客単価が上がる
- 誰でも始められる
- 競合との差別化を図れる
エステサロンにおける物販は費用対効果と労働対効果のどちらにおいてもパフォーマンスが高く、その他にもメリットはたくさんあります。始めに、メリットについて一つずつ見ていきます。
顧客満足度が向上する
エステサロンに来店するお客様は美意識が高いため、多くの方が施術外でのセルフケアや食事にも気を遣っています。施術だけでなく物販による美容効果を感じてもらえれば、あなたのサロンを選んで良かったとより感じてもらえるでしょう。
提供する物販の使用によって、施術効果も実感しやすくなり、スタッフの技術を高く評価してくれるお客様の増加も期待できます。顧客満足度や口コミ評価の向上に繋がり、リピートや新規顧客の獲得にも良い影響をもたらしてくれます。
客単価が上がる
経済産業省の資料によると、エステサロン業界の売上の33.7%が物販を締めているという年もありました。仮に月の売上が100万とするなら、33万が物販によるものだということです。
少額でも一人ひとりの客単価が増加すると、月で見た時に大きな売上になります。新規顧客獲得やリピート率の向上に力を入れるだけでなく、物販を取り入れることで安定した経営を実現できるでしょう。
誰でも始められる
エステサロンで扱う商品はサイズが小さいものが多く、スペースをあまり必要としません。売上に応じて最低限準備しておけば、在庫管理も手間やコストはかからないでしょう。
また、ポップの工夫やSNSを活用することで売れる仕組みさえ作っておけば、最低限の接客で十分利益を出してくれます。施術に比べると労働対効果が非常に高い点もおすすめです。
競合との差別化を図れる
年々競争が激しくなるエステ業界では、競合との差別化が求められます。どこも施術技術の向上や集客方法を工夫していますが、物販に重きを置いているサロンはあまり多くありません。
お客様に魅力的に写る物販ができれば、他のサロンとの差別化を図ることができ、集客に大きな影響を与えるでしょう。物販を目的に来店するお客様がいるくらいにブランディングができれば経営状況を大きく変えることができるでしょう。
物販を取り扱う際の注意点
- 長期的な目線で見る
- 在庫を抱え過ぎない
- 利益率に気を付ける
- ターゲットをイメージする
物販を取り扱う際は、以上の点に注意して行いましょう。
長期的な目線で見る
物販を導入する際、まず行うのが商品の確保です。在庫を抱えることになるため、損益分岐点に達するまで多少の時間がかかります。何がどれだけ売れるのかも予想がつきにくいため、始めたての時期は赤字を覚悟した方が良いでしょう。
コスト的な余裕があまりない方は、ひとまず物販以外の面で安定した経営をできるように努めましょう。
在庫を抱えすぎない
在庫の抱え過ぎは損失を招く危険性があります。どの商品が人気なのか、どの商品が売れ残りやすいのかを把握できるまでは、少量ずつ仕入れを行い、必要に応じて新たな発注をするようにしてください。傾向がつかめるまでは、なるべく在庫は必要最低限にすることをおすすめします。
また、マンションの一室や自宅でサロン経営をする方は、在庫の抱え過ぎることで限られた作業スペースや生活スペースを削ることになるので、あまりよろしくないでしょう。
利益率に気を付ける
エステサロンの物販利益率の相場は30%〜50%です。利益率が50%の商品であれば、店頭販売価格が1万円、仕入れ価格が5千円といった具合です。一般的な原価率が15%前後の飲食業界に比べると、化粧品等の利益率は非常に高いため、仕入れにかかるコストはなるべく低くしておく必要があります。
仕入れのコストを抑えるコツは以下の2点です。
海外輸入する
海外の商品を扱いたい場合は、海外から個人輸入をした方が安いケースがほとんどです。主に英語でのやり取りになるため、簡単ではありませんが、送料を加味してもコストを抑えられることが多いので、ぜひ検討してみてください。
特に韓国コスメやオーストラリア産のヴィーガンコスメが日本で人気を集めています。日本との交流も多い国なので、仕入れも比較的容易にでき、初心者でも取り入れやすいでしょう。
最安値で仕入れする
同一の商品でも扱う業者によって、単価が異なるケースや割引が効く場合があります。一番コストがかからない仕入れ先を探しておきましょう。また、時期によって割引キャンペーンを実施する業者も多く、最安値は常に変化する可能性があります。定期的な業者の見直しを行うのも大切です。
購入数を細かく設定する
購入数を細かく設定できるのであれば、なるべく詳細に数を決めて仕入れを行いましょう。在庫数を必要最低限に抑えることで、損失を生みにくくします。売れ行きを参考にして、在庫を管理しましょう。
商品の売れ行きは、スマートフォンやタブレットの決済システムを使用するのがおすすめです。誰でも手軽に商品のデータを集めることができます。
ターゲットをイメージする
あなたのサロンを利用するお客様をイメージして、扱う商品の選定を行いましょう。例えば、フェイシャルエステであればフェイスマスク、痩身エステならボディクリームなどがおすすめです。サロンのターゲットに合わない商品を購入しても、売れ残る可能性が高く、損益に繋がりかねません。
物販の売上を高めるためのコツ
- 顧客の悩みを引き出す
- 実際に体験してもらう
- 割引キャンペーンを実施する
- 認知拡大に力を入れる
- アフターケアを充実させる
- スタッフに歩合を付ける
- オリジナル商品を販売する
- ECサイトを活用する
- 決済手段を増やす
- 自動販売機を導入する
物販の売上を高めるコツはたくさんあります。一つずつ確認していきましょう。
顧客の悩みを引き出す
カウンセリングやクロージングの際に時間をかけてお客様の悩みを聞き出しておくことで、購入に繋がる商品の提案ができるようになります。ターゲットに合わせて商品を揃えるのと同様に、顧客一人ひとりに合わせた提案が重要です。
お客様の、美容に関する悩みを解決することがエステサロンの目的です。顧客の悩みを引き出し、それに応じた商品の提案をしてください。売上の向上だけでなく顧客満足度の向上も期待できるでしょう。
実際に体験してもらう
体験会を実施し、実際に使用してもらうのも効果的です。お客様が実際に受けているメニューと関連付けて説明することで、商品の魅力をより感じてもらうことができます。
予算に余裕がある方は、施術中に使用するのも良いでしょう。エステサロンで使用している商品を、自宅でも使えるというのは非常に魅力的です。効果も実感してもらっているので購入に繋がりやすいでしょう。
割引キャンペーンを実施する
- 入会特典でフェイスパックプレゼント
- 〇〇プランの契約で美容液半額
- 2品以上の購入で〇〇%オフ
など、無料またはお得に試せる機会を増やしましょう。一度使用し効果を実感してもらえれば、リピートに繋がる可能性は高まります。コストは多少かかりますが、長期的に見れば売上の向上に貢献する可能性は高いです。
認知拡大に力を入れる
いくら良い商品を揃えたり、低価格で提供していても、認知されていなければ売上の向上は期待できません。商品のバラエティや質にこだわる前に、物販をしているということをお客様に知ってもらいましょう。
- ディスプレイ
- SNS
- 口コミ
認知拡大のコツは主に以上の3つです。一つずつ解説します。
ディスプレイ
まずはお客様の目に入りやすい位置にディスプレイをしましょう。サロンの中でも、お客様がよく使うカウンター付近や待合室が特におすすめです。
- フェイシャル
- ボディケア
- サプリメント
など、目的や使用部位に応じてカテゴライズすることで、お客様の利便性は向上し、購入に繋がりやすいでしょう。ディスプレイする場所だけでなく、商品一つひとつの配置や目につきやすいPOPやポスターを貼るのも効果的です。
SNS
InstagramやFacebookなど、SNSアカウントでの認知拡大は非常に効果的です。無料でできるので誰でも手軽に始めることができます。ただ商品を紹介するだけでも十分効果はありますが、使用方法や対象となる人物の特徴などを載せると、わかりやすくて興味を引きやすいでしょう。
SNS限定キャンペーンの実施やフォロー特典などを設けることで、サロン自体の認知拡大にも繋がるのでぜひ挑戦してみてください。
口コミ
グーグルマップやホットペッパービューティーなどにサロンを登録している場合は、積極的に口コミを投稿してもらうように働きかけましょう。口コミをしてくれたお客様を対象に割引や無料特典を付けることで、効率良く口コミを集めることができます。
また、口コミは経営に大きな影響を与える要因の一つです。SNSと同様に、物販だけでなくサロンの認知拡大や新規顧客の獲得に繋がるでしょう。
アフターケアを充実させる
物販は、商品を売ることがゴールではありません。お客様が適切に使用し、結果を実感してもらえるように、使用の際の注意点や効果を出しやすいコツなどアフターケアの充実をさせましょう。美容商品は、使い方を間違えると逆効果になる可能性もあります。ネガティブな印象を与えてしまうとリピート率は低下し、売上の向上は見込めないどころか、お客様の信頼を失ってしまう可能性があります。
Instagramの投稿などに使用方法を掲載しておくと、認知拡大効果にも繋がるのでおすすめです。
スタッフに歩合を付ける
ただディスプレイするよりは、販促を行った方が売上は向上します。歩合制を採用し、スタッフのモチベーションを上げ、積極的に販促をしてもらえるように働きかけましょう。
やみくもに販促をしても売れないため、向上心のあるスタッフは能動的に売れる工夫を考えるようになるでしょう。その結果、スタッフのコミュニケーションスキルや美容に関する知識も自然に向上し、売上だけでなくスタッフ全体のスキルアップにも繋がります。また、スタッフの士気はサロンの雰囲気に表れます。やる気に満ちた職場環境を構築できるでしょう。
オリジナル商品を販売する
市販の商品を扱うのでも十分効果的ですが、あなたのサロンにしかないオリジナル商品を作ることで、競合との大きな差をつけることができるでしょう。それぞれの施術メニューに合わせた商品を作ることで、幅広い顧客層に購入してもらえるチャンスです。
最近では、市販の商品のラベルを好きなデザインに変更できるサービスもあるので、比較的安価でオリジナル商品の販売ができます。
ECサイトを活用する
近頃は、誰でも簡単にECサイトを運用できるようになってきました。オンライン販売をすることで、全国に住む方をターゲットに物販をすることができます。注文を受けてから発注を行っても問題ないECサイトもあり、在庫を抱えるリスクも抑えることができ、あまりコストをかけたくない方でも手軽に始められます。サロン販売価格を、オンライン販売価格よりも安価に設定することで、お得感を演出し、店頭販売の売上を向上させることもできるでしょう。
決済手段を増やす
現金やクレジットカード決済のほかに、LINEpayやPayPayなどのモバイル決済も使用できるようにしておくことをおすすめします。契約料や仲介料を取られることがありますが、決済手段はある程度確保した方が購入に繋がりやすいです。
自動販売機を導入する
スペースや予算に余裕のある方は、自動販売機を導入するのもおすすめします。ディスプレイの代わりにもなるため、誰が見ても物販があるということに気付いてくれます。また、スタッフの介入がなくても購入できるため、お客様にとってもスタッフにとっても手間がかかりません。
業種別エステサロンで良く売れる人気商品
ここでは、エステサロンで良く売れる商品を業種別にご紹介します。先述したように、ターゲットや顧客の悩みによって需要は異なります。以下で一つずつ解説するので、参考にしてみてください。
フェイシャルエステ
- クレンジング
- 洗顔
- 化粧水
- フェイスパック
- 日焼け止め
- 小顔矯正マスク
フェイシャルエステに来店するお客様は、主に肌荒れの予防・解消、小顔効果が目的です。
美肌や美白効果のあるフェイスマスクや洗顔、小顔効果のある矯正器具などを販売すると良いでしょう。
また、顔は皮膚が薄いので、敏感肌用の化粧品や医者監修のドクターズ商品を揃えておくことをおすすめします。
脱毛サロン
- シェーバー
- 保湿クリーム
- デリケートゾーン用クリーム
脱毛の施術は肌に強い刺激を与えるため、アフターケアや日頃のケアが欠かせません。肌に優しい保湿クリームやデリケートゾーン用の商品は需要が高いのでおすすめです。また、剃毛の際に使用するシェーバーなど、サロンがおすすめする商品を購入できるようにしておくと良いでしょう。
ボディ・痩身
- ボディ用美容液
- 着圧レギンス
- 姿勢矯正ウェア
- 家庭用EMS機器
- ダイエット食品
ボディマッサージや痩身エステでは、身体用の化粧品やダイエットグッズをおいておくと良いでしょう。着圧レギンスや家庭用EMS機器などは、付けておくだけでむくみ解消やダイエット効果があるので、誰でも楽に使用でき、おすすめです。
ダイエット食品やレシピ本も需要が高いので、ぜひ取り入れてみてください。
美容系サロン全般
- サプリメント
- プロテイン
- スポーツウェア
どのサロンでも全般的におすすめできるのが、以上の商品です。エステサロンや痩身エステに来店する方は、美意識が高いため、比較的多くの方が運動に興味を示しています。サプリメントやプロテイン、スポーツウェアなどの運動に関連する商品は人気です。
物販で売上の安定を目指しましょう!
物販の重要性やコツ、ご理解いただけましたでしょうか?集客や施術に力を入れるのはもちろんですが、物販へのこだわりは売上のさらなる向上を実現してくれるでしょう。
エステサロンでは、物販に苦手意識を持つ方も多いかもしれませんが、一つひとつポイントを抑えることで誰でもきっと売上を上げることができるでしょう。興味を持った方はぜひ今回のコラムを参考に実践してみてください。
この記事の執筆者
業務用痩身機器比較サイト編集部
業務用痩身機器比較サイトは、元エステサロンオーナー、元美容機器メーカー営業をはじめとした美容のプロが業務用痩身機器を徹底比較して紹介するWebサイトです。エステサロンの運営に長年携わってきたノウハウを活かし、サロン経営に挑戦する方にとって役立つ集客の方法や売上を伸ばすコツ、痩身機器の選び方なども紹介してまいります。