エステサロン経営ノウハウ
痩身エステサロンでキャンセル料金の設定は必要?開業準備中の方必見!
キャンセル料金とは
キャンセル料金とは予約をしていたのにも関わらず、当日または数日前に利用をキャンセルした際に発生する料金を指します。いわば、サロンへの損害賠償・迷惑料金です。サロンを開業するのにあたって、キャンセル料金を設けるか設けないかは悩みの種の一つですよね。この記事では、「サロンを開業するにあたってキャンセル料金を設けるべきか」を他サロンを参考にご紹介します!
キャンセル料金を設定しているサロンは少ない?
実際にキャンセル料金を設けているサロンは少ないです。なぜなら、キャンセル料金を設けることで「予約数の減少」に繋がってしまうためです。利用者の立場になってみれば、キャンセル料金が設定されているサロンとキャンセル料金が設定されていないサロンがあれば、後者を予約しますよね。
利用者も決してキャンセルするつもりで予約するわけではないですが、急な予定でキャンセルしてしまう恐れがあるため、キャンセル料金が設定されているサロンは避ける傾向にあります。
ただし、キャンセル料金を設けずにキャンセルが続けば、サロンは本来得られるはずだった利益を失ってしまいます。挙げ句の果てには、「サロンが赤字経営に追い込まれてしまう」なんてことも…。決してそうならないためにも苦渋の決断ではありますが、キャンセル料金は設ける必要があるといえます。
キャンセル料金の決め方
法律ではキャンセル料金に関する規定を以下のように定められています。
消費者契約法で決められているキャンセル料金の規定
消費者契約法では、無断キャンセルであっても消費者に高額なキャンセル料金を請求することが禁止されています。明確な上限額は決められていませんが、キャンセルによってサロンが被った損害の平均かつ相場にあった金額で算出する必要があります。
もし、キャンセル料金が「損害額の平均を超える」と判断された場合は、超過分は請求することができません。
特定商取引法で定められているキャンセル料金の規定
エステサロンでは「一か月以上の継続が必要なものかつ、総額5万円を超える施術」の契約である場合、消費者契約法とは別に特定商取引法にも留意しなくてはなりません。
- クーリングオフ期間終了後、初回の施術前に中途解約した場合:2万円
- 初回の施術以降に中途解約した場合:2万円または契約残額の10%相当額のどちらか低い方
特定商取引法では、キャンセル料金について①クーリングオフ期間終了後、初回の施術前に中途解約した際は2万円、②初回の施術以降に中途解約した際は2万円または契約残額の10%相当額のどちらか低い方がキャンセル料金として規定されています。
以上2点の法律に注意して、キャンセル料金の設定を行いましょう。
キャンセル料金が発生した場合
もしもキャンセル料金を請求する際は、以下の点に注意しましょう!
キャンセル料金の支払い義務
キャンセル料金を正しく設定したとしても、キャンセル料金を支払ってもらえなければ元も子もありません。特に最近は、対面ではなくネット予約が主流となり、キャンセル料金の徴収が難しくなってきています。
しかし、キャンセルポリシーを確認してもらった上で予約したにも関わらずキャンセルをした場合、利用者はキャンセル料金を支払う義務が発生します。
延滞料金の設定
もし、キャンセル料金が期限内に支払われない場合には、消費者契約法によって延滞料金を徴収することも可能です。具体的にキャンセル料金に加えて、過ぎた期日分の延滞料金を年間14.6%、日計0.04%まで徴収することができます。
そのため、20,000円のキャンセル料金を3日遅れて支払う場合は、2,400円の延滞料金の請求が可能です。
20,000円×0.04%×3日間=2,400円
ただし、延滞料金を設定する場合にはトラブルを避けるため、あらかじめお客様へ丁寧に説明しましょう。
もしもの時は専門家に相談を
もしもキャンセル料金の支払いに応じてもらえずに損害が大きくなってしまった場合は、一度専門家への相談を検討してみてください。
キャンセル料金の請求は、お店の好感度や手間を考えると自店舗では請求しづらい状況にあります。しかし、第三者である専門家に仲介してもらうことで安全に素早く解決できるかもしれません。
泣き寝入りせずに、一度専門家に相談してみましょう。
予約を受ける際の注意点
キャンセルやトラブルを防ぐために、予約を受ける際に以下の点に気をつけましょう!
- 連絡先を聞く
- キャンセルポリシーの説明
- リマインド連絡をする
連絡先を聞く
無断キャンセルを防ぐためにも、連絡先はしっかりと把握しておくようにしましょう。ネットや電話での予約が主流になってきているからこそ、連絡先はきちんと控えておくべきです。
キャンセルポリシーの説明
予約時に、自店舗で定めているキャンセルポリシーについて一言伝えるようにしましょう。しつこく伝える必要はなく、「一読しておいてください」と一声かけるだけでもキャンセルに対する意識を変えることができます。
リマインド連絡をする
最近では、予約の数日前にメールやラインでリマインド連絡を送れるようになっています。そういった機能を利用して、利用者が「予約していたことをうっかり忘れていた」となることを防ぎましょう。
キャンセルを減らすために
一つ対策をとれば、キャンセル数は大幅に減少させることができます!キャンセル数を減らすために、自分の経営するサロンの見直しを検討してみてください!
- キャンセルの傾向を把握する
- 媒体を変える
- キャンセル料金を設ける
- ネットから予約キャンセルできないようにする
キャンセルの傾向を把握する
まずはキャンセル数が多い利用者や、その利用者が使用する媒体などのキャンセルの傾向を把握しましょう。キャンセルの傾向を理解することで、自店舗ではキャンセル数を減らすために何をすべきかが分かってきます。
キャンセルの傾向把握のために必要な情報
- 利用者
- 使用媒体
- 曜日
- 時間帯
- 客層
- キャンセル理由
媒体を変える
キャンセル数が多い媒体は、割引クーポンなどの特典に惹かれて予約している場合が多いです。そのため、キャンセル数があまりにも多い媒体の利用はやめましょう。
キャンセル料金を設ける
やはりキャンセル料金等のペナルティを設けることで、圧倒的にキャンセル数は減少します。しかしペナルティを設けることで、予約数自体を減少させてしまう恐れもあるので注意が必要です。
ネットから予約キャンセルをできないようにする
ネット予約の場合、ボタン一つで簡単にキャンセルすることが可能です。利用者からすれば便利な機能ですが、お店としてはキャンセル数が増えて迷惑です。そのため当日や前日は、ネットからキャンセルをできないように設定しましょう。
各サロンのキャンセル設定一覧表
実際に各エステサロンがどのようなキャンセルポリシーを設けているのかご紹介します!
サロン名 | 予約変更・キャンセル期限 | 当日キャンセル料金 | 無断キャンセル料金 |
アネモネ | 当日可 | なし | なし |
アプロディエット | 前日21時まで | 1回消化 | 1回消化 |
アライブ | ミイラ痩身のみ前日まで。 それ以外であれば当日3時間前まで可 |
1回消化(コースによって異なる場合がある) | 1回消化(コースによって異なる場合がある) |
エイチツーオー | 前日まで | 施術料金の半額 | 1回消化 |
エヴァーグレース | 前日店舗営業時間まで | なし | 1回消化 |
エステティックミスパリ | 前日店舗営業時間まで | 1回消化 | 1回消化 |
エステティックTBC | 前日の最終営業時間まで | 1,000円 | 1,000円 |
エスティービューティーサロン | 当日可 | なし | なし |
エスプリ | 前日20時まで | 5,000円 | 5,000円 |
エルクレスト | 前日の午後9時30分まで | 1回消化 | 1回消化 |
エルセーヌ | 当日可 | なし | なし |
オンディーヌ | 前日16時まで(店舗によって異なる) | 1回消化 | 1回消化 |
オリエンタル・スタイル | 前日の営業時間まで | 1回消化 | 1回消化 |
キレイサローネ | 2日前 20時まで | 前日20時までなら3,000円 | 1回消化 |
銀座グラティア | 前日まで | 1回消化 | 1回消化 |
クイーンズピュア | 前日の21時まで | 1回消化 | 1回消化 |
ゲラン パリ | 前日18時まで | 3Point(3,000円) | 3Point(3,000円) |
桜ヶ丘美容痩身研究所 | 当日可 | なし | なし |
SARA(サラ) | 前日の営業時間内まで | 1回消化 | 1回消化 |
Sa La DA | 前日店舗営業時間まで | 施術料金の半額 | 施術料金の半額 |
シーズラボ | 前日の営業時間内まで | 3,000円 | 3,000円 |
スリムビューティハウス | 前日まで | 1回消化 | 1回消化 |
セントラヴィ | 前日の営業時間内まで | なし(店舗によってはあり) | なし(店舗によってはあり) |
ソシエ | 前日の18時まで | 3Point(3,000円) | 1回消化 |
ダイエットパートナー | 前日まで | 1回消化 | 1回消化 |
たかの友梨ビューティークリニック | 前日まで | コース料金の半額 | コース料金の半額 |
Fulala(フララ) | 前日18時まで | 1回消化または5,000円 | 1回消化または5,000円 |
プレミアムダイエット | 前日の営業時間内まで | 1回消化 | 1回消化 |
ラ・セーヌ | 事前に連絡をいれれば可 | なし | 1回消化 |
DDラボ | 前々日まで | 前日キャンセル:1,000円 当日キャンセル:1回分消化 |
1回消化 |
Rayce’ | 当日可 | なし | なし |
キャンセル期限はいつまで?
上記の一覧から、2日前〜前日までをキャンセル期限としているサロンが多いです。当日にキャンセルが出ても、その枠に別のお客様の予約を入れるのは困難です。そのため、遅くても2日前〜前日までをキャンセル期限とするのが妥当であるといえます。
当日予約キャンセル料金の相場
上記の一覧から、当日予約キャンセルの場合「1回分の消化」としているサロンが多いようです。サロン一回分の料金は20,000円程であることから、キャンセル料金の相場は20,000円と割高となっています。
まとめ
キャンセル料金を設けることで、突然のキャンセルによるサロンへの損害を最小限に抑えることができます。ただし、キャンセル料金を設けることで予約数の減少に繋がる可能性もあります。そのため、キャンセルを減らすための他の対策を探すことも非常に重要です。
この記事の執筆者
業務用痩身機器比較サイト編集部
業務用痩身機器比較サイトは、元エステサロンオーナー、元美容機器メーカー営業をはじめとした美容のプロが業務用痩身機器を徹底比較して紹介するWebサイトです。エステサロンの運営に長年携わってきたノウハウを活かし、サロン経営に挑戦する方にとって役立つ集客の方法や売上を伸ばすコツ、痩身機器の選び方なども紹介してまいります。