サロンで痩身機器を購入する際は、減価償却と耐用年数について知っておく必要があります。

今回のコラムでは、痩身マシンの耐用年数、減価償却について解説していきます。機器を買い替えるタイミングもまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。

  1. 痩身機器の耐用年数とは
  2. サロン機器の耐用年数
  3. 痩身機器の減価償却
  4. 耐用年数を超えた痩身機器の取り扱い
  5. 痩身機器の買い替えタイミング
  6. 痩身機器を買い替える際のポイント
  7. 痩身機器の耐用年数

痩身機器の耐用年数とは


ここでは、痩身機器の耐用年数と、間違えやすい耐久年数について解説していきます。

耐用年数

耐用年数とは、税法で定められた減価償却資産としての使用可能期間を指します。痩身機器をはじめとする美容機器の耐用年数は5年です。

この期間はあくまで会計処理上の目安であり、5年を超えたら使えなくなるという意味ではありません。しかし、耐用年数を知ることは、機器購入のコスト計算や投資回収の計画を立てるのに役立ちます。

また、耐用年数を超えた機器を使い続けることも可能ですが、性能維持や修理費用の増加などを考慮し、適切なタイミングで買い替えを検討することが求められます。

耐久年数

耐久年数は、痩身機器が故障や性能低下を起こさず、実際に使用できる期間の目安を指します。耐久年数はメーカーが定めていますが、機器の品質、使用頻度、メンテナンス状況によって実際に使用できる年数には差があります。

一般的に7〜10年程度が目安になっていることが多いですが、これを耐用年数と間違えないように注意しなければなりません。誤って減価償却の計算をすると、正確な申告ができず、修正申告が必要になる可能性があります。

サロン機器の耐用年数


サロンで使用される機器は、痩身マシン以外も減価償却の対象になります。主な機器の耐用年数は以下のとおりです。

ベッド 8年
パソコン・タブレット端末 4年
冷蔵庫 6年
冷暖房機 6年
レジスター 5年

参考:主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁

これらは、購入額によって、以下のような制度の利用が可能です。

  • 少額減価償却資産:10万円以上30万円未満の資産を購入した年に一括で経費計上できる
  • 一括償却資産:20万円未満の資産を一律3年で経費計上できる

このような制度を活用することで、経理の手間を大きく軽減できます。また、利益が十分ある年に利用すれば、節税効果も期待できるでしょう。

痩身機器の減価償却


高額になりがちな痩身機器の購入にあたっては、減価償却を行って経費計上するのが一般的です。

減価償却の基本

減価償却は高額な資産を購入した際に行う会計処理で、そのコストを一度に計上せず、使用可能な期間にわたって分割で経費計上する仕組みです。サロンで使用する痩身機器も減価償却の対象となり、主に「定額法」と「定率法」いずれかの計算方法で減価償却を行います。これにより、年度ごとの利益を適正に計算し、税負担を分散することができます。

【痩身機器の減価償却】計算方法

痩身機器の減価償却に用いられる、「定額法」と「定率法」の二つの計算方法について解説します。

定額法

痩身機器の減価償却(耐用年数5年)の場合、毎年同額を経費計上する「定額法」が多く用いられます。たとえば、300万円の痩身マシンを導入した際の計算式は、以下のとおりです。

300万円÷5年=60万円

つまり、この場合は経費計上できる購入額が、毎年60万円になります。

定率法

一方の定率法は、減価償却の初年度に最も多く償却費を計上し、年を追うごとに減少していく方法です。未償却残高に一定の割合を掛けるため、「未償却残高 ×
償却率」で減価償却費を算出します。

ただし、償却額が償却保証額を下回った場合は、「改定取得価額×改定償却率」に変更され、以降同額を計上します。

耐用年数を超えた痩身機器の取り扱い


耐用年数を超えた痩身機器は、法的には減価償却が終了しており、帳簿上の価値はゼロになります。そのまま資産として保有している間は、備忘価額として1円を計上してください。その後マシンを売却・処分した場合は、除却して帳簿からなくします。

また、前述のとおり、耐用年数を超えたマシンでも、状態によっては使い続けることが可能です。しかし、経年劣化による性能低下や故障リスクの増加は避けられません。

定期的なメンテナンスや修理を行えば延命も可能ですが、修理費が高額になったり、最新機器に比べて効果が落ちたりする場合もあります。サロンのサービス品質維持のためにも、使用年数と費用対効果を常に見直し、計画的な入れ替えを考えることが重要です。

痩身機器の買い替えタイミング

瘦身機器の買い替えに適したタイミングは、主に次の3つが目安になります。

メンテナンスの負担が増えたら

痩身マシンは、長く使うほどにメンテナンスや修理が必要になります。修理回数が増え、コストがかさむようになった場合は、買い替えを検討するとよいでしょう。

長い目で見て修理費用が高くなるようであれば、新機器を導入したほうがコストパフォーマンスに優れます。

また、修理で稼働できない時間が増えると、予約のキャンセルや売上の低下を招きかねません。スムーズな運営を続けるためにも、負担が増えたと感じたら早めの決断が求められます

耐用年数・耐久年数を目安にする

耐用年数は減価償却の期間ですが、およそ使用できる年数をもとに定められているので、一つの目安になります。メーカーが表示している耐久年数とともに、買い替えタイミングの指標にしましょう。

定期的にメンテナンスして、丁寧に使用していれば、長く使うことは可能です。しかし、耐久年数を超えるまで使ったマシンは、性能が落ちている可能性があります

故障などのトラブルがないとしても、効果的な施術を行うため、使用できる年数を目安に買い替えを検討するのがおすすめです。

経営戦略のタイミングで

サロンの成長を図ったり、新しいメニューを導入したりするタイミングでは、最新の痩身機器への買い替えが効果的です。新機種は施術効率や効果の向上や、話題性による集客アップが期待できます。

また、開業〇周年などの節目に新しい機器を導入すれば、お客様に安定した運営ができていることもアピールできるでしょう。

事業の拡大や競合との差別化を図るためにも、経営戦略に合わせた機器の更新は大切な投資です。

痩身機器を買い替える際のポイント


マシンの買い替えを検討する際は、性能やコスト面をチェックし、サロンにとって有益な機器を導入する必要があります。メーカー選びにもこだわり、最適な痩身機器を選びましょう。

性能と安全性を検討する

痩身機器を買い替える際は、最新技術が搭載された高性能なマシンを選びましょう。施術効果や操作性の高さはもちろん、安全性も重視してください。

効果や安全性に関しては、まず、信頼できるデータが公表されているかを確認します。このほか、専門家が監修しているか、国内生産のマシンかどうかなどを判断基準にして検討すると安心です。

トータルコストを考える

痩身機器の買い替えでは、本体価格だけでなく、次のようなランニングコストも考慮しましょう。

  • 維持費
  • 消耗品
  • 電気代
  • 部品・メンテナンス代 など

最新機器は省エネ設計や耐久性の向上が図られているので、古いマシンを使い続けるよりもコスト削減になる可能性が高いです。ただし、メンテナンスや消耗品代が高額になれば、負担になりかねません。

保証期間やアフターサポートの有無も確認し、トータルコストを算出してから購入を決断しましょう。

サポート体制が充実しているメーカーを選ぶ

購入後のサポートは、痩身機器の安定的な稼働や長く使用するために重要です。万一の際の迅速な修理対応や定期メンテナンス、トラブル時のサポート体制が整っているメーカーを選びましょう。

また、機器の導入時だけでなく、運営面においてもサポートしてくれるメーカーだと安心です。困ったときにすぐ相談できる環境は、ノンコア業務に振り回されないため、よりサロン運営を安定させることができます。

痩身機器の耐用年数

痩身機器は、法律で定められた耐用年数である5年にわたって減価償却を行います。耐用年数が過ぎても使用する場合は、手放すまで毎年1円を計上していきます。

メンテナンスをしていれば長く使い続けられますが、性能が落ちたり故障リスクが高まったりするため、適切なタイミングでの買い替えが求められます。

買い替えの際は、性能とコスト面をよく確認し、サロン運営の負担にならないよう注意しましょう。購入元のサポート体制もチェックし、安心して導入できるメーカーを選ぶことが大切です。