「切らないリフトアップ」として人気を集めているハイフ(HIFU)。自分のサロンで新たに導入したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

エステサロンにおけるハイフの施術では、業務用の機器が必要です。ただし、機械の選び方を間違えてしまうとすぐに故障する、お客様が施術中に強い痛みを訴えるなど、様々なトラブルが発生する恐れがあります。

そこで今回のコラムでは、業務用ハイフ機器の正しい選び方について詳しく解説していきます。

  1. 医療用ハイフと業務用ハイフの違いとは
  2. 業務用ハイフの種類
  3. 業務用ハイフの機械の価格相場
  4. 格安・中古の機械には要注意
  5. 業務用ハイフの機械を安く導入するには
  6. 業務用ハイフの機械を選ぶ4つのポイント
  7. 保証が充実したメーカーの機械を導入しよう

医療用ハイフと業務用ハイフの違いとは

ハイフ(HIFU)とは、専用の機械で超音波を照射して筋膜に熱を与え、リフトアップや肌質改善をもたらす施術です。照射される超音波の出力に応じて、医療用と業務用の2種類に分かれています。

医療用ハイフで採用されている「焦点式ハイフ」では、高温の超音波が1発ずつ照射されるため、同じ箇所に連続で照射すると火傷を負わせてしまうリスクがあります。安全に操作するためには高度な技術が必要であり、エステサロンでは使用することができません。

一方、業務用ハイフの場合、弱い出力で超音波を繰り返し照射します。施術時の痛みは少なく、じっくりと温度を上げていくため火傷のリスクを抑えられます。しかし、出力が弱い分医療用ハイフほどの高い効果は期待できません。

業務用ハイフ機器の詳しい仕組みについては、この後解説していきます。

業務用ハイフの種類

業務用ハイフ機器が採用している施術方法には、大きく分けて4つの種類があります。

  • 2Dハイフ
  • 3Dハイフ
  • 4Dハイフ
  • 蓄熱式ハイフ

2Dハイフ

2Dハイフでは、線状の超音波を1ショットあたり2〜3秒ずつかけて照射します。ショットごとの間隔を0.5〜1cmの間で細かく調整しなければならず、施術に時間がかかります。また、施術者には超音波をムラなく照射する高い技術が必要です。

1人1人のお客様にゆっくりと時間をかけて施術できるサロンや、技術の高いスタッフが揃っている店舗は、2Dハイフによる施術が向いていると言えます。

3Dハイフ

3Dハイフの場合、長方形のような面状の領域に、1ショットあたり2〜3分かけて超音波を照射します。一度に照射できるエリアが広いため、施術者の当てムラによって効果に差が出るのを防げます。

しかし、照射している2〜3分の間は施術者がずっと機械を支え続けなければならないことや、比較的痛みを感じやすいことが難点です。

簡易的に広い範囲の施術を受けたいというお客様を受け入れるサロンに向いている方法だと言えます。

4Dハイフ

4Dハイフでは、3Dハイフと同じように長方形の領域に超音波を照射します。一度に照射できる範囲がより広く、全体の施術時間を短縮できます。ただし、一度により広い範囲の領域に超音波を当てるため、特定の部位をピンポイントで施術するのは難しいです。

蓄熱式ハイフ

蓄熱式ハイフでは、比較的強い出力で超音波を照射して、熱エネルギーを与えていきます。高速で連射することで照射面全体にムラなく熱を加え、短時間で施術を完了させることができます。

徐々に温度を上げていく「蓄熱式」であるため、痛みを感じにくいのが特徴です。また、ピンポイントの施術が可能であり、お客様の悩みに合わせて施術箇所を細かく調整できるのも魅力です。

業務用ハイフの機械の価格相場

業務用ハイフ機器の相場は、およそ120〜400万円だと言われており、他のエステ機器に比べて購入しやすい価格帯であることが多いです。

もともとは医療用ハイフ機器のみが取り扱われており、かつてのハイフ機器の価格は350万円を超えることがほとんどでした。しかし、技術の改良やマシンの選択肢の増加によって、価格相場は年々低下しています。

格安・中古の機械には要注意

業務用ハイフ機器を少しでも安く手に入れるために、フリマサイトやネットオークションで販売される価格が100万円以下の機械の購入を検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、以下のようなリスクが生じる可能性があるため、格安のハイフ機器を購入するのはおすすめできません。

  • すぐに故障する
  • お客様に強い痛みや火傷が生じる

それぞれのリスクについて、順番に解説していきます。

すぐに故障する

格安のハイフ機器は、性能の良くない部品を用いることで製造コストを抑えている可能性があります。耐久性に欠け、簡単に故障してしまうものも少なくありません。

相場より安いハイフ機器を購入する場合でも、100万円弱という決して少なくない費用が発生します。せっかく導入した機械がすぐに壊れてしまったとなると、サロンにとっては大きな損失です。

また、フリマサイトなどで入手した機器が予期せず故障した場合、メーカーが迅速に修理してくれることは少なく、対応してもらえる修理業者を探すのにも時間がかかります。

機器を使用できない期間が長引くと施術の予約を断らざるを得なくなり、お客様に迷惑をかけてしまうかもしれません。

お客様に強い痛みや火傷が生じる

出力を上手くコントロールできない可能性があることも、格安のハイフ機器を導入するデメリットの1つです。

ハイフの施術では、出力を細かく調整することで効果に違いを出したり、お客様の痛みを抑えなければなりません。性能が悪く出力を調整できない機器を使用すると意図せず強い超音波が照射され、お客様が強い痛みを感じたり火傷を負ってしまう可能性があります。

また、オークションやフリマサイトなどで入手した機器は、メーカーによる保証が適用されないことが多いです。従って、お客様に危害を与えてしまった場合は、基本的に自己責任で対処しなければなりません。

業務用ハイフの機械を安く導入するには

新品の業務用ハイフ機器を購入する際には、100万円を超える高額な費用が発生します。できる限り初期費用を抑えて購入したい方には、以下の2つの方法がおすすめです。

  • レンタル
  • リース

レンタル

月々の利用料金を支払って、メーカーから業務用ハイフ機器をレンタルすることができます。基本的には短期間の契約を前提としており、途中で解約することも可能です。

ただし、メーカーが貸し出している機器の中から選択して借りることになるため、希望する機器が在庫になければマシンのレンタルができない点に注意してください。

リース

リース契約では、サロン側が指定するマシンをリース会社に購入してもらい、その費用を毎月少しずつ返済していきます。中長期的な利用を想定しており、原則途中での解約はできません。解約する場合は別途で解約費用を支払う必要があります。

サロン側が希望する機器を手配してもらえるため、使用できるハイフ機器の種類に制限はありません。月数万円程度の負担で、最新の機器を導入することも可能です。

業務用ハイフの機械を選ぶ4つのポイント

ここからは、業務用ハイフ機器を選ぶ際のポイントを紹介していきます。

  • 操作しやすい
  • メーカーの保証が充実している
  • メーカーのサポートが手厚い
  • 施術時の痛みが少ない

操作しやすい

業務用ハイフ機器を選ぶ際には、スタッフがスムーズに操作できるかどうかを考慮しなければなりません。全体の重量やコンパクトさ、ハンドピースの持ちやすさなどに注目して、スタッフが使用する際の負担が少ない機械を選びましょう。

メーカーが実施しているデモ体験を通して、実際の使用感を確かめてみても良いかもしれません。

メーカーの保証が充実している

新品のハイフ機器であっても、故障する可能性はゼロではありません。そのため、故障してしまった際のメーカーによる保証が充実している機器を選ぶと良いでしょう。、以下のような保証を実施してくれるメーカーであれば安心だと言えます。

  • 1年以上の保証期間
  • 返金保証
  • 故障時の迅速な修理対応
  • 賠償保険

メーカーのサポートが手厚い

エステ機器を販売するメーカーによっては、機械のメンテナンスの他にも、エステ事業に携わる方へのサポートを実施してくれることがあります。

以下のような支援を受けられれば、スタッフの教育や経営状態の改善に役立てることができ、オーナーの負担が軽減されるでしょう。

  • 販促ツールの提供(ポスター、POP、施術結果の画像)
  • 機械の取り扱い方法(施術、メンテナンス)に関する動画の提供
  • 機械やサロン運営に関するサポートダイヤル
  • サロン経営に必要な書類の提供
  • スタッフ向けセミナーの開催

施術時の痛みが少ない

施術時の痛みが少ない機械を導入すると、お客様に気持ちよく施術を受けてもらうことができます。メーカーが行っているデモ体験で実際に施術を受けてみて、お客様がストレスなく施術を受けられるかどうかを判断した上でハイフ機器を選ぶと良いです。

保証が充実したメーカーの機械を導入しよう

業務用ハイフ機器の価格相場や、選ぶ際のポイントについてご紹介してきました。高額な業務用ハイフ機器の購入をサロンにとって有益なものにするためには、施術方式や価格、保証内容など、様々な要素を考慮して選ぶ必要があります。

特に、万が一に備えてリスクを軽減するためには、保証が充実したメーカーに頼ることが欠かせません。ハイフ機器選びで迷っている方は、一度販売元のメーカーに問い合わせて、保証内容を確認してみてください。