エステサロン経営ノウハウ
エステを賃貸マンションやアパートで開業できる?必要な手続きは?
手軽にサロンを開業できる物件として人気を集める「自宅」。
しかし、お住まいの場所が賃貸マンションやアパートであるために「無理かもしれない」と開業を諦めてはいませんか?
適切な物件を探して手続きを行えば、賃貸物件でもサロンを開業することが可能です。
今回は、賃貸マンションやアパートでサロンを開業したい人に向けて問題点や対策をお話します。
賃貸物件でサロンを開業する時の問題点
サロンの開業など、事業に使用できる賃貸物件は限られています。また、今お住まいの物件で開業が可能であったとしても、その物件ですぐサロンを開くことはできません。
まずは、知識がなく賃貸物件でサロンを開業してしまった場合なにが問題になるのかを知りましょう。
賃貸借契約に違反している
賃貸物件を借りる場合には契約を結びますが、その際は「住居として使用する=居住用」か「事務所や店舗として使用する=事業用」のいずれかでの契約が締結されます。
自宅サロンを開業したい場合は、後者「事業用」の物件でなければなりません。
居住用の賃貸物件で自宅サロンを開業した場合、以下の法律に抵触します。
民法594条 借主による使用及び収益
第1項 借主は、契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならない。
第2項 借主は、貸主の承諾を得なければ、第三者に借用物の使用または収益をさせることができない。
第3項 借主が前二項の規定に違反して使用又は収益をしたときは、貸主は、契約の解除をすることができる。
どんなに収益が少なかろうと、営利目的の自宅サロンであればこの法律に接触する可能性があります。
また、契約内容に「物件を定める目的以外に使用した場合」を想定した項目があれば、その項目によっては契約違反として退去を求められることもあります。
分譲なら大丈夫……ではない!
賃貸契約でない分譲マンションであればサロンを開業できるよね! と安易に考えてしまうのはNGです。
なぜなら、分譲マンションであっても管理組合の管理規約で「営利目的の事業禁止・制限」を定めている可能性があるから。
分譲マンションをお持ちの場合は、必ず管理組合に事前確認を取りましょう。
消費税法上の問題が生じる
居住用として賃貸物件を契約した場合、「住むこと」を目的としているため賃料には消費税がかかっていません。
しかし、事業を目的に賃貸物件を借りている場合は、賃料に消費税が課税されなければなりません。
仮に使用目的を変えて契約ができたとしても、居住用として住んでいた場合と比較して賃料は割高になるのです。
消防法上の問題が生じる
店舗や事務所などを開業する場合、使用開始前には近くの消防署に行って「防火対象物使用開始届出書」を提出する必要があります。
事業用として使えない賃貸物件の中には、あくまで居住用として不特定多数の出入りを想定していないために消防法上の建物設備要件を満たしていない物件も多くあります。
消防署への相談が不可欠ですが、認可が下りないこともあり得ると覚えておく必要があります。
建築基準法上の問題
建築基準法では、建物の用途に応じて建築上の基準が定められています。
厳密にいえば、居住用の建物とエステなどの美容サロン系サービスを提供する店舗とは建築基準が異なっているのです。
ケースによっては、この建築基準法をネックに賃貸物件でのサロン開業を断られる場合も考えられるかもしれません。
サロンが認められる例外もある!?
念のため頭に入れておきたいのが、「個人事業主・事業者」の定義です。
消費税法上の事業者は、対価を得て行われる資産の譲渡等を「繰り返し継続している」「独立して行っている」人が定義されます。
- 施術を無償で行う(対価をもらわない)
- 友人や知人を呼んで一度だけ施術する(継続性が)ない
こういった自宅サロンであれば、貸借契約や消費税法の問題が該当せず運営できるかもしれません。
SOHO(事業用)の物件を買おう
賃貸物件でサロンを運営するのはハードルが高いと言えますが、路面店など一般物件と比較すると初期費用や内装費、ランニングコストも抑えることができるという大きなメリットもあります。
賃貸物件を店舗選びの候補に加えたい場合は「SOHO物件」と呼ばれる物件を選び、円滑に事業用物件としての契約ができるようにしましょう。
SOHO物件とは?
「SOHO物件」とは、住居仕様でありながら店舗や事務所として事業用契約ができるタイプの賃貸物件です。
SOHOは「Small Office Home Office」の略語で、小さなオフィスや自宅を仕事場とする働き方やその働き方に対応した物件そのもののこと。
商業エリアに近い便利な物件やデザイナーズ物件もあるため、サロンとしての開業にもかなり適しています。
SOHO物件のメリットは?
SOHO物件の大きなメリットは以下の通りです。
- 路面店やオフィス物件に比べて初期費用が安め
- 寝泊まりする住居としても使える
SOHO物件は住居としてつくられ、後からSOHO可の条件が付け足されたものも多いです。そのため住居としての使用ができ、業務に使用しないエリアは私室として住むことで業務効率を大幅にアップできます。
抑えておきたい注意点3つ
SOHO物件でサロン開業を考えている人が抑えておきたい大きな注意点が3つあります。
- 嫌がられる場合もある
- 電気の容量を増やせないことがある
- 看板の設置が難しい
特に上2つの項目はサロン運営にとって命とりとなる可能性も高いので、物件選びの際は不動産屋にも相談して念入りな確認を取りましょう。
嫌がられる場合もある
SOHO物件には住居用として入居する人もいるため、フリーランスのライターやデザイナーなど、来客が少ない個人事業主などの入居を想定して作られている場合が多いです。
- 不特定多数の人が出入りする
- 騒音や匂いなどが通常の生活レベルを超えている
- 駐車場や駐輪場など公共施設の使用に制限がかかる
- その他、他の居住者の生活に何らかの影響を及ぼしている
事業において上記のようなことが起こりうる場合、SOHO物件であっても入居を断られたり、住民とのトラブルにつながったりする恐れがあります。
- 問題を洗い出し事前対策を徹底しよう
特にサロン運営で問題となるのは、「不特定多数の出入り」「駐車場や駐輪場」の2点。
住人でないお客様の出入りが増えるとオートロックの安全性が脅かされると考えられる場合は往々にしてありますし、来店されたお客様が住民用の駐車場に車を停めてしまい、本来使うはずの住人が不便に感じることもあるでしょう。
オートロックについて住民とお客様それぞれに事前説明をしておく、駐車場を別に借りて居住者用エリアにはお客様の車を絶対に停めないよう促すなどの適切な配慮が必要です。
電気の容量を増やせないことがある
上でもご説明した通り、SOHO物件はもともと居住用を想定した物件として建てられているものも多いもの。
そのため、高性能で電気を多く使うマシンを導入したくても、後から電気の容量を増やせない物件だということもなくはないのです。
電気量やネット回線など、事業に必要な環境の充実度については、居住用の家探し以上にていねいな確認を取りましょう。
看板の設置が難しい
路面店などと異なり、SOHO物件の場合は目に付きやすい大きな看板を設置することが基本的にできません。
お客様がお店を見逃してしまわないようていねいなご案内をしておく必要があります。
また、看板がないことから路面店のように飛び込みの新規客が来店する見込みは少ないと言えるでしょう。
SOHO物件の探し方は?
SOHOに向いた賃貸物件を探したい! と思ったら、次のことに気を付けてみましょう。
不動産屋によく相談する
賃貸物件をサロンにする場合、「今住んでいる賃貸物件をサロンとしても使う」「新たにSOHO物件を探す」の2パターンがあります。
いずれにしても、不動産屋への入念な確認が欠かせません。
今住んでいる物件を使う
できれば今住んでいる物件でサロンを開業したい、という場合、許可が下りる可能性は高いとは言えませんが、不動産屋と契約内容を確認し要望を出すことはできます。
おそらく当初は居住用の賃貸契約を交わしているでしょうから、「今住んでいる物件を今後サロンとして使うことができるか」を確認しましょう。
「業務用」ではなく、きちんと「エステサロン」「脱毛サロン」と業態を伝えることが大切です。
SOHO物件を探す
「SOHOの賃貸物件はありますか」「住居仕様で店舗として利用可能な物件はありますか」とで不動産屋に確認してみましょう。
ポイントは「店舗として」と伝えること。
上でご説明した注意点のような理由から、SOHOタイプの賃貸物件であっても「事務所は可、店舗は不可」としている物件があるためです。
物件をよく確認しよう
集中して円滑な業務を行うためにも、間取りや設備など物件の内容をしっかり確認しましょう。
間取りの確認ポイント
間取りを見るうえで注意したいのは、業務用のスペースと生活用のスペースがしっかり分かれているかどうかです。
仕事中にリビングなどプライベートなエリアを通らないといけない物件は、仕事に集中できなかったり、お客様に個人的な情報が筒抜けになってしまったりするかもしれません。
特に気を付けたいのがお手洗い。
賃貸物件の中にはバストイレ別でないもの、お手洗いに行くのに浴室や脱衣所を通らなければならないものもあります。
自分のプライベートを守るためにも、間取りの吟味は徹底しましょう。
設備の確認ポイント
設備確認で気を付けたいのは、やはり電気の容量とネット回線。
とくに電気の容量は、導入したい美容マシンを置けるかどうかにもかかわってくるでしょう。
不動産屋になるべく紙面でデータをもらえるよう、手配をお願いすれば安心です。
入念な準備があれば自宅アパートでエステを開業できる!
エステを開業したいけれど、物件にお金をかけられないから無理だよね……と諦めるのはまだ早いです!
丁寧に物件を探せば、サロンとして使えて費用も抑えられる事業用物件が見つかるかもしれません。
不動産屋や大家さんともしっかり話し合い、他の住民の迷惑にならないよう許可を得て手続きを進めましょう。
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この記事の執筆者
業務用痩身機器比較サイト編集部
業務用痩身機器比較サイトは、元エステサロンオーナー、元美容機器メーカー営業をはじめとした美容のプロが業務用痩身機器を徹底比較して紹介するWebサイトです。エステサロンの運営に長年携わってきたノウハウを活かし、サロン経営に挑戦する方にとって役立つ集客の方法や売上を伸ばすコツ、痩身機器の選び方なども紹介してまいります。