もはや、フェイシャルケアの定番ともいえるイオン導入。古い角質の汚れを落としてくれたり、肌のハリツヤなどに働きかけます。

  1. 肌の仕組み
  2. イオン導入器の仕組み
  3. イオン導入に適した成分
  4. イオン導入により期待できる効果
  5. イオン導入の注意点
  6. まとめ

肌の仕組み

イオン導入の仕組みを理解するには、肌構造への理解が必要不可欠です。
肌表面は、上から順に角質層、淡明層(透明層)、顆粒(かりゅう)層、有棘(ゆうきょく)層、基底層に分けられます。普段のスキンケアで美容成分が浸透できるのは、一番上の角質層までです。この角質層の厚さは、食品ラップほどの0.01~0.03ミリです。
どれだけ高い化粧品を使用しても、皮膚表面の角質層までしか浸透しないので、その下まで成分が届くことは、基本的にあり得ません。

角質層と顆粒層の間では、電流が流れるような仕組みでバリアを張り、異物の侵入や水分や体液の放出を防いでいます。
この“異物”というのは、美容に効果的なビタミンCなども含まれています。いくら体に良いとしても、ここは体を守るための働きをしているため、成分の良し悪しや分子の小ささはそれほど関係ありません。

イオン導入器の仕組み

+と-の微弱な電流を使って、この肌のバリアを一時的に解放させます。これによって、角質層よりも肌の内部に美容成分を浸透させるのがイオン導入です。肌へ普通に塗布するのと比べて、30倍もの浸透率にもなると言われています。
イオン導入器には、導入機能と導出機能が備わっています。

導出機能

肌表面の汚れや古い角質を吸着(イオン導出)し、除去を行います。普段のクレンジングでは落ちにくい汚れに働きかけ、透明感や化粧ノリのアップを実感できます。

導入機能

美容液などに含まれたビタミンC誘導体などの成分を角質層まで浸透 (イオン導入)させます。肌の内部から十分に満たされることにより、コラーゲン生成・メラニン抑制・皮脂コントロールなどが活発になり、保湿やシミやくすみの目立ちにくい健康的な肌に仕上げてくれます。

イオン導入に適した成分

電流を使い肌へ働きかけるため、水を通しやすい成分(水溶性)が活用できます。また、いくらバリアを抜けれるとはいえ、分子が大きすぎるものに関しては吸収出来ません。

  • 適した成分:ビタミンC誘導体、アミノ酸、プラセンタ、グリシルグリシン、トラネキサム酸、成長因子(グロスファクター)など
  • 適していない成分:コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなど

イオン導入により期待できる効果

導入美容液によって効果は異なります。

ビタミンC

イオン導入といえばビタミンCというほど、ポピュラーな美容成分。
抗酸化作用や美白効果を発揮します。コラーゲンの分解を阻止することから、毛穴の開きやシワ、肌のハリにも効果的です。皮脂の分泌を抑えることによりニキビの改善にも大きな役割を果たします。
また、イオン導入には、酸化しやすいビタミンCを、短時間のうちに吸収が可能になり、成分の変質を防ぐことができるメリットも。

アミノ酸

体の素になるタンパク質はアミノ酸で構成されています。肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンもアミノ酸から作られています。また、アミノ酸は保湿にも重要な役割を果たしています。

プラセンタ

胎盤から抽出されたエキス。アミノ酸やミネラルなどを含み、エイジングケアにも有効です。

グリシルグリシン

不飽和脂肪酸によって起こった肌の炎症を抑え、毛穴を収縮させます。正常な肌のターンオーバーを促し、肌のキメを整えてくれます。

イオン導入の注意点

痛みを感じる可能性がある

ほとんど痛みを感じない施術ですが、微弱ではありますが、電流を皮膚に流す施術です。ピリピリとした刺激や目がチカチカしたりすることがあります。

頻度に注意

毎日やれば効果がそれだけ上がりそうですが、肌を多少痛めることになるので、連続使用は逆効果です。また、集中的にイオン導入器を当てるというのも推奨できません。

使用できない箇所に注意

デコボコしていて水分がたまりやすく、電流が流れやすいことからその分皮膚が損傷しやすいと言われている、傷のある部分に電力を近づけないようにしましょう。

使用できない人も

電流を流すため、ペースメーカーなどの金属類を体内に入れている人や妊娠中の人などには、原則として施術を行えません。
肌の内部まで成分を届けることで、通常より過剰に反応が出てしまうことがあります。肌が荒れている人や炎症を起こしている人も同じように避けましょう。

まとめ

様々な美容成分により、様々な効果を発揮してくれるイオン導入。針を使わない注射とも言われていて、ダウンタイムがほとんどなく、直後から効果を実感できるのもメリットです。仕組みを理解し、より良い施術を目指しましょう。